Announcement

シンポジウム概要・告知

法律、マネジメント、技術の協力による情報セキュリティの実現
-方向性と問題点-

日時:2018年3月15日(木) 9:50~17:50

場所:東京大学伊藤謝恩ホール(伊藤国際学術センターB2F)

主催: 東京大学 大学院情報理工学系研究科

後援: 理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)
一般社団法人日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
一般財団法人情報法制研究所(JILIS)
情報法制学会(ALIS)

趣 旨

 社会インフラとしての情報システムが定着・高度化するにつれ,情報セキュリティの確保が喫緊の課題となっている.近年では,ゼロデー攻撃や標的型攻撃による国家機密など重要情報の流出や乗っ取り,サイバー攻撃によるプラントの誤動作や暴走,個人情報流出とプライバシーの侵害などが特に問題となっている.

 こんにち,情報セキュリティの確保のためには,法律・マネジメント・技術の各分野の新しく展開させるとともに,三者をしっかりと連携させて,総合的に発展させてゆくことが必須となっている.そこで,セコム科学技術振興財団の助成による研究「情報法学・マネジメント論と侵入防止技術の融合による超セキュア情報システム」が平成25年4月から平成29年3月まで東京大学大学院情報理工学系研究科を中心に行われた.本研究の担当者は,法律について新潟大学法学部の鈴木正朝を中心とするグループ,マネジメントについて東京大学公共政策大学院の奥村裕一を中心とするグループ,技術について東京大学大学院情報理工学系研究科の坂井修一を中心とするグループであった.

 本シンポジウムでは,このセコム科学技術振興財団の研究課題についての報告を行うとともに,情報セキュリティに関する3分野の現状と今後,連携のありかたなどをめぐる検討・討論を行う.上記研究の担当者に3分野を代表する識者の方々を交え,情報セキュリティの本質は何か,セキュリティを確保する最も効果的なアプローチはどのようなものか,解決しなければならない重大問題は何か,などについて現状と最先端の成果についての分析を行い,広く深い議論をすることを趣旨とする.

シンポジウム次第

09:50~ 開会挨拶  坂井 修一 (東京大学)
10:00~10:45 招待講演 「サイバー攻撃の今後と対応策」
・佐々木 良一(東京電機大学教授・会計検査院最高情報セキュリティアドバイザー)
10:45~11:30 技術分野発表
・坂井 修一(東京大学教授) 導入
・入江 英嗣(東京大学准教授)SharkcageとSWIFT
11:30~12:45 ランチ
12:45~12:50 ご挨拶 総務省関東総合通信局長 関 啓一郞
12:50~14:35 情報法制分野発表
「国内外の越境データ問題とナショナルセキュリティ、学術研究、産業振興〜個人情報保護法制を中心に」
・鈴木 正朝(新潟大学教授、理研AIP、情報法制研究所理事長)
・板倉 陽一郎(ひかり総合法律事務所 弁護士、理研AIP)
・岡本 正(銀座パートナーズ法律事務所 弁護士)
・加藤 尚徳(KDDI総合研究所)
14:35~14:50 休憩
14:50~16:20 マネジメント分野発表
・奥村 裕一(東京大学) 導入
・銭谷 謙吾(東京大学) 成果発表
・満塩 尚史(経済産業省CIO補佐官)
・三角 育生(内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター副センター長 内閣審議官)
16:20~16:35 休憩
16:35~17:55 パネルディスカッション
司会: 坂井 修一(東京大学)
パネリスト(五十音順):
入江 英嗣(東京大学)、岡本 正(弁護士)、奥村 裕一(東京大学)、
加藤 尚徳(KDDI総合研究所)、鈴木 正朝(新潟大学、理研AIP)、
銭谷 謙吾(東京大学)、三角 育生(内閣官房)、満塩 尚史(経済産業省)
17:55 閉会
18:00~20:00 懇談会 (多目的スペース)

※事前申し込みは締め切りました.会場にて当日受付をご利用ください.

Profile

登壇者プロフィール

  • 佐々木 良一

    東京電機大学未来科学部教授・会計検査院最高情報セキュリティアドバイザー

    【略歴】昭和41年香川県立高松高校卒業。同年東京大学入学。昭和46年3月東京大学卒業。昭和46年4月日立製作所入所。システム開発研究所にてシステム高信頼化技術、セキュリティ技術、ネットワーク管理システム等の研究開発に従事し、ネットワーク管理システムNETMや各種セキュリティシステム等の製品化に貢献。 同研究所第4部(ネットワーク関連部)部長やセキュリティシステム研究センター長、主管研究長などを経て2001年4月より東京電機大学工学部教授。

    工学博士(東京大学)。 昭和58年電気学会論文賞受賞。平成10年電気学会著作賞受賞。平成13年度情報処理学会論文賞受賞。 情報処理学会フェロー。

    著書に、「情報科学入門 教養としてのコンピュータ」日本理工出版会1995年、「インターネットセキュリティ 基礎と対策技術」(共著)オーム社1996年、「インターネットセキュリティ入門」岩波新書1999年、「インターネットコマース新動向と技術」(共編著)共立出版2000年、等。 IEEE、情報処理学会、電子情報通信学会、電気学会等の会員。情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会顧問。IFIP TC11日本代表。情報処理学会教育担当理事。JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)顧問・セキュリティ教育部会長。

  • 三角 育生

    内閣審議官、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター副センター長

    【略歴】東京大学大学院博士(工学)、Master of Arts in Management (the Claremont Graduate School)。1987年に通産省(現:経産省)に入省し、主に安全保障貿易管理、情報セキュリティ政策等に従事。2012年から情報セキュリティセンター(現:内閣サイバーセキュリティセンター)にて、サイバーセキュリティ基本法の制定・改正、サイバーセキュリティ戦略の策定、人材育成・研究開発等の戦略とりまとめ、政府統一基準の策定・実施など政策の企画立案を行ってきているとともに、日本年金機構の不正アクセスによる情報流出事案等の重大なサイバーセキュリティインシデントの対応の総括等を行ってきている。2016年から現職。

  • 満塩 尚史

    内閣官房IT総合戦略本部 政府CIO補佐官、経済産業省CIO補佐官

    【略歴】 1988年筑波大卒。筑波大学大学院博士課程修了。1996年理学(物理学)博士。KPMGコンサルティング株式会社、環境省CIO補佐官などを経て、現在、政府CIO補佐官及び経済産業省CIO補佐官。専門は、ITガバナンス、情報セキュリティマネジメント、電子署名・電子認証に関するコンサルティング。著書『未来を拓くマイナンバー-制度を使いこなす事業アイディア』、『COBIT実践ガイドブック 日本ITガバナンス協会/監修』、『知っておきたい電子署名・認証のしくみ』等。公認情報システム監査人(CISA)。

  • 板倉 陽一郎

    ひかり総合法律事務所 弁護士(パートナー)

    【略歴】2002年慶應義塾大学総合政策学部卒、2004年京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻修士課程修了、2007年慶應義塾大学法務研究科(法科大学院)修了。2008年弁護士(ひかり総合法律事務所)。2016年4月よりパートナー弁護士。2010年4月より2012年12月まで消費者庁に出向(消費者制度課個人情報保護推進室(現・個人情報保護委員会事務局)政策企画専門官)。2017年4月より国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター社会における人工知能研究グループ客員主管研究員。一般財団法人情報法制研究所参与。

  • 岡本 正

    銀座パートナーズ法律事務所 弁護士/博士(法学)

    【略歴】2001年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2003年弁護士登録。銀座パートナーズ法律事務所パートナー弁護士・博士(法学)・マンション管理士・AFP・医療経営士・防災士・防災介助士。「災害復興法学」を創設し、慶應義塾大学法科大学院・法学部・大学院SDM研究科等の非常勤講師を務める。2013-2016年度には中央大学大学院公共政策研究科客員教授も務めた。2009-2011年に内閣府上席政策調査員として政府出向中に東日本大震災が発災。日弁連災害対策本部室長を兼務し、4万件の被災者無料法律相談事例を収集・分析し、法改正や新制度構築に関わる。神奈川県鎌倉市出身。代表著書に『災害復興法学の体系:リーガル・ニーズと復興政策の軌跡』(勁草書房)、『災害復興法学』(慶應義塾大学出版会)。

    一般財団法人情報法制研究所上席研究員。

  • 加藤 尚徳

    (株)KDDI総合研究所 フューチャーデザイン1部門3グループアソシエイト

    【略歴】1986年生まれ.(株)KDDI総研を経て,2016年より現職.専門は「情報法」.情報法制(プライバシー・個人情報・知財等)を中心とした法制度や技術の調査・研究・コンサル業務に従事.また,大学の非常勤講師として,情報法,知的財産法,情報セキュリティに関する講義を担当.神奈川大学経営学部および神奈川工科大学情報学部非常勤講師,慶應義塾大学SFC研究所上席所員.新潟大学法学部卒業,総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻単位取得満期退学,修士(情報学)。一般財団法人情報法制研究所研究員、理事長補佐。

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